企業が外国人を雇入れる場合、「技術・人文知識・国際業務」、「技能」「経営管理」などの報酬は、本人の学歴、職歴や経験などの資格による条件に加えて、「日本人と同等額以上の報酬」を受けることが条件となっています。それは、外国人に支払う報酬・給与が、雇用主企業内で同じ業務を担当する日本人職員と同等額でなければならないということです。
その最大の法律的根拠は、労働法第3条の中で、使用者は労働者の国籍等よって労働条件について差別を設けてはいけないということが規定されており、また、低賃金労働者となるような外国人は、単純労働をしているとみなし、日本への入国を排除しようという国の政策にあります。
雇入れる企業側は、同じ職務内容の日本人と同等の給与を設定しておけば問題はないことになります。その金額は、日本人と同様に、最低賃金法で守られます。
入管法には、給与✖✖円以上という明確な金額は規定されていません。
ただ、審査要綱に在留資格「興行」に係る上陸基準省令において、月額20万円以上の報酬を要件とする規定があることから、一つの基準とも考えられてます。
入管が発表しているプレスリリースやガイドラインを参考にする
〇「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について
(平成20年3月(平成27年3月改訂)
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyukan_nyukan69.html
許可事例
本国において経済学,国際関係学を専攻して大学を卒業し,本邦の自動車メーカーとの契約に基づき,月額約20万円の報酬を受けて,本国と日本との間のマーケティング支援業務として,市場,ユーザー,自動車輸入動向の調査実施及び自動車の販売管理・需給管理,現地販売店との連携強化等に係る業務に従事するもの。
〇留学生の在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更許可のガイドライン
平成30年4月改訂
別紙1 事例
http://www.moj.go.jp/content/001132223.pdf
例
(3)大学(工学部)を卒業した者から,コンピューター関連サービスを業務内容とす る企業との契約に基づき,月額13万5千円の報酬を受けて,エンジニア業務に従 事するとして申請があったが,申請人と同時に採用され,同種の業務に従事する新 卒の日本人の報酬が月額18万円であることが判明したことから,報酬について日 本人と同等額以上であると認められず不許可となったもの
〇審査要綱の報酬の定義
1.報酬の月額は、賞与等を含めた1年間従事した場合に受ける報酬の総額の12分の1で計算する。
2.報酬とは、「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」をいい、通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの(課税対象となるものを除く。)は含まない。
3.「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等学以上の報酬を受けること」については、報酬額を基準として一律に判断する場合に受ける報酬と同等額以上であるか、また、他の企業の同種の職種の賃金を参考にして日本人と同等額以上であるかについて判断します。なお、この場合、外国人が大卒であればその企業の日本人大卒者の賃金を、専門職、研究職であればその企業の日本人専門職、研究職の賃金を参考にする。