在留期限が近づいているが、引き続き日本に在留したい。
雇用している外国人の在留期限が近づいているが、引き続き雇用したい
28種類あるビザ(在留資格)にはそれぞれに複数の在留期間が規定されています。
例えば「技術」ビザなら、5年・3年・1年・3ヵ月という在留期間が規定されており、法務大臣がその外国人の在留歴や私生活での行動等を考慮して、いずれかの在留期間を指定します。初めてビザ(在留資格)を付与される場合は短い期間となることが多いですが、何度も更新していくにつれて長い期間が付与されます。しかし、税金をはらっていない、偽装結婚などの犯罪を犯している、留学生なのに学校に行っていないなど、その外国人の素行に問題があれば、更新が不許可となる場合もあります。
また、転職した場合は、注意が必要です。現在与えられた就労ビザは、その職種・その会社に対して与えられたビザです。転職した時は、ビザの更新に備え、「就労資格証明書」を取得することをお勧めします。
Q1 在留資格更新が許可されるかどうかはどうやって判断しますか?
その外国人の状況を考慮して法務大臣の自由裁量によって決まります。
つまり、法務大臣がOKと言えば在留期間が更新できるし、ダメと言えば期間を更新できません。法務大臣がその外国人の活動内容・在留の状況・在留の必要性などを総合的に考慮して判断します。目安としては、法務省HPに、在留期間の更新許可のガイドラインが公表されています。
- 更新後に行う活動が、その在留資格の活動と合致しているか。(必須)
- 上陸許可基準に適合しているか(必須)
- 素行に問題がないこと
- 金銭的に余裕のある生活ができるか(世帯単位での収入)
- 仕事は適切にしているか(労働関係法規に適合していることも含めて)
- 納税義務を果たしているか
- 入管に関わる届出義務を果たしているか
上記の全てを満たしても、特別な事情があれば不許可になる場合もあります。また一部を満たさなくても許可になる場合もあります(必須項目は必要)。
Q2 在留資格更新の申請はいつからできますか?
原則、在留資格更新許可の申請は、在留期間が満了する3か月前から受け付け、遅くとも在留期限当日までは申請を受け付けてもらえます。
申請さえ受け付けてもらえれば在留期間の満了日から2か月を経過する日までは適法に在留することができます。(「在留期間の特例」という制度)但し、有している在留資格に認められた在留期間が30日の方は特例が認められません。そしてこの期間内に入国管理局側で許可か不許可の審査をすることになります。
Q3 在留資格更新の申請を期間中にしなかった場合の救済措置はありますか?
やむを得ず申請期間が過ぎてしまった場合は、本人にやむを得ない理由があり、かつ在留資格更新許可がある程度の確実性が見込まれる場合は特別に受理してくれます。
やむを得ない理由とは病気や災害等の事であり、忘れていたなどの事情は認められません。
在留特別許可が認められる場合
本人が忘れてしまった場合で本人に責任がある場合でも、在留中の生活が良好であることや、過ぎてしまった在留期間の日数が比較的短い場合は、認められることもあります。
Q4 在留資格更新が不許可となった場合はどのような対処がありますか?
まず、「特定活動」のビザが与えられ、1カ月の在留が認められます。
在留資格更新が不許可決定の場合、申請人は入管に出頭を求められます。在留資格更新不許可の通知書を手渡されて、出国の意思確認がされます。申請者は、「申請内容変更申請書」を提出し、在留資格「特定活動」が付与されます。出国準備としての1カ月間の在留が認めらます。出国の意思確認をOKしない場合や、申請内容変更申出書を提出しなかった場合は、強制送還(退去強制)という最悪の事態に進んでしまいます。強制送還により出国した場合、以後5年間は日本へ来ることが出来ません。出国意思はなくとも、この時点ではOKしておきましょう。
特定活動者から次の活動は、以下の4パターンに分かれます。
いずれにしろ、一度不許可となった案件を覆すことは簡単ではありません。
- 「特定活動」から他の在留資格へ在留資格変更許可申請をする
- 一度帰国して、もう一度日本に入国する
- 在留特別許可を申請する
- 処分を不服として、裁判所に訴える
※在留特別許可を申請する
在留特別許可とは、強制送還が人道上問題があるような場合に、在留を認められる特別な許可です。法務大臣の裁量が大きく働きます。例えば、入院中の難病患者を強制送還するなど人道上問題がある場合があたります。
※※処分を不服として、裁判所に訴える
法務大臣が行った行政処分に不服がある場合、行政事件訴訟法上は取消訴訟ができます。取訴訟とは行政が下した処分を取り消すことを裁判所に訴える事です。
裁判は、相当期間の日数が必要なので、裁判の判決が出る頃には「特定活動」の在留期間は過ぎていることが想定されます。もし、敗訴すれば訴えた時点に遡って、更新不許可となります。その時には「特定活動」の在留期間も過ぎているので、即、強制送還となります。