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ホテル・旅館等における「技術・人文知識・国際業務」で外国人を採用する場合

ホテル・旅館等における「技術・人文知識・国際業務」で外国人を採用する場合

訪日外国人旅行者数が増大する中,外国人を採用するホテル・旅館が増えています。ワーキングホリデー、インターシップなどの特定活動、留学生の資格外活動、特定技能の宿泊分野、そして、技術・人文知識・国際業務の在留資格を持つ外国人が想定されます。

ホテル・旅館等で技術・人文知識・国際業務に該当する仕事

本邦若しくは外国の大学又は本邦の専門学校を卒業した外国人がホテル・旅館
等の宿泊施設における業務に従事する場合,当該在留資格に該当すると認められるためには,申請人が従事しようとする業務が「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務」(技術・人文知識)又は「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」でなければなりません。(国際業務)

具体的には、本社スタッフとしての業務(総務、経理、マーケティング、企画、システム運営、HP製作等の広報等)翻訳・通訳等を必要とするフロント業務などが、「技術・人文知識・国際業務」に該当します。一方、ベットメイキング、清掃、ドアマンなどは単純労働として認めらません.

なお,日本で従事しようとする活動が,入管法に規定される在留資格に該当するものであるか否かは,在留期間中の活動を全体として捉えて判断することとなります。「技術・人文知識・国際業務」の活動に該当しない業務に従事することは認められませんが,それが企業における研修の一環であって当該業務に従事するのは採用当初の時期に留まるといった場合には許容されます。

条件として、当該企業に雇用される従業員、日本人を含む全員が、入社後のキャリアステップとして、同様の研修をするといった研修プランを入管に提出する必要があります。

また,業務に従事する中で,一時的に「技術・人文知識・国際業務」に該当しない業務である場合であっても、それが主たる業務ではなく、付随的に行われる場合には、技術・人文知識・国際業務は該当する活動と入管は判断しているようです。

2 入管が公表している具体的な事例 (ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化について 平成27年12月 法務省入国管理局出典)

≪許可事例≫

① 本国において大学の観光学科を卒業した者が,外国人観光客が多く利用する本邦のホテルとの契約に基づき,月額約22万円の報酬を受けて,外国語を用いたフロント業務

② 本国において大学を卒業した者が,本国からの観光客が多く利用する本邦の旅館との 契約に基づき,月額約20万円の報酬を受けて,集客拡大のための本国旅行会社との交渉に当たっての通訳・翻訳業務,従業員に対する外国語指導の業務等に従事するもの

③ 本邦において経済学を専攻して大学を卒業した者が,本邦の空港に隣接するホテルと の契約に基づき,月額約25万円の報酬を受けて,集客拡大のためのマーケティングリサーチ,外国人観光客向けの宣伝媒体(ホームページなど)作成などの広報業務等に従事するもの

④ 本邦において経営学を専攻して大学を卒業した者が,外国人観光客が多く利用する本 邦のホテルとの契約に基づき総合職(幹部候補生)として採用された後,2か月間の座学を中心とした研修及び4か月間のフロントやレストランでの接客研修を経て,月額約30万円の報酬を受けて,外国語を用いたフロント業務,外国人観光客からの要望対応,宿泊プランの企画立案業務等に従事するもの

⑤ 本邦の専門学校において日本語の翻訳・通訳コースを専攻して卒業し,専門士の称号 を付与された者が,外国人観光客が多く利用する本邦の旅館において月額約20万円の報酬を受けて,フロントでの外国語を用いた案内,外国語版ホームペ-ジの作成,館内案内の多言語表示への対応のための翻訳等の業務等に従事するもの

⑥ 本邦の専門学校においてホテルサービスやビジネス実務を専攻し,専門士の称号を付 与された者が,宿泊客の多くを外国人が占めているホテルにおいて,修得した知識を活かしてのフロント業務や,宿泊プランの企画立案等の業務に従事するもの

⑦ 海外のホテル・レストランにおいてマネジメント業務に10年間従事していた者が, 国際的に知名度の高い本邦のホテルとの契約に基づき,月額60万円の報酬を受けてレストランのコンセプトデザイン,宣伝・広報に係る業務に従事するもの

≪不許可事例≫

① 本国で経済学を専攻して大学を卒業した者が,本邦のホテルに採用されるとして申 請があったが,従事する予定の業務に係る詳細な資料の提出を求めたところ,主たる業務が宿泊客の荷物の運搬及び客室の清掃業務であり,「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務に従事するものとは認められず不許可となったもの

② 本国で日本語学を専攻して大学を卒業した者が,本邦の旅館において,外国人宿泊 客の通訳業務を行うとして申請があったが,当該旅館の外国人宿泊客の大半が使用する言語は申請人の母国語と異なっており,申請人が母国語を用いて行う業務に十分な業務量があるとは認められないことから不許可となったもの

③ 本邦で商学を専攻して大学を卒業した者が,新規に設立された本邦のホテルに採用 されるとして申請があったが, 従事しようとする業務の内容が,駐車誘導,レストランにおける料理の配膳・片付けであったことから,「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務に従事するものとは認められず不許可となったもの

④ 本邦で法学を専攻して大学を卒業した者が,本邦の旅館との契約に基づき月額約15万円の報酬を受けて,フロントでの外国語を用いた予約対応や外国人宿泊客の館内案内等の業務を行うとして申請があったが,申請人と同時期に採用され,同種の業務を行う日本人従業員の報酬が月額約20万円であることが判明し,額が異なることについて合理的な理由も認められなかったことから,報酬について日本人が従事する場合と同等額以上と認められず不許可となったもの

⑤ 本邦の専門学校において服飾デザイン学科を卒業し,専門士の称号を付与された者 が,本邦の旅館との契約に基づき,フロントでの受付業務を行うとして申請があったが,専門学校における専攻科目と従事しようとする業務との間に関連性が認められないことから不許可となったもの

⑥ 本邦の専門学校においてホテルサービスやビジネス実務等を専攻し,専門士の称号 を付与された者が,本邦のホテルとの契約に基づき,フロント業務を行うとして申請があったが,提出された資料から採用後最初の2年間は実務研修として専らレストランでの配膳や客室の清掃に従事する予定であることが判明したところ,これらの「技術・人文知識・国際業務」の在留資格には該当しない業務が在留期間の大半を占めることとなるため不許可となったもの

   
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